2013年01月19日

MSトルコ・リラ建ステップアップ債券軍団との戦い:最終回

Hello,everyone. I am Love Earth モーリー。

22回も続いた外国債券軍団との長い戦いも本日で終わりとなります。

本日は外貨換算の説明をします。


外国債券は当然にすべて外貨表示なので最後に日本円に換算する必要があります。

財産評価基本通達の197近辺を見ていても換算方法が登場しないので
最初は苦慮しましたが、だいぶ飛んだ所に解説がありました。


以下、財産評価基本通達

(邦貨換算)
4−3 外貨建てによる財産及び国外にある財産の邦貨換算は、原則として、納税義務者の
取引金融機関(外貨預金等、取引金融機関が特定されている場合は、その取引金融機関)が
公表する課税時期における最終の為替相場
(邦貨換算を行なう場合の外国為替の売買相場の
うち、いわゆる対顧客直物電信買相場又はこれに準ずる相場をいう。また、課税時期に当該
相場がない場合には、課税時期前の当該相場のうち、課税時期に最も近い日の当該相場とす
る。)による。
 なお、先物外国為替契約(課税時期において選択権を行使していない選択権付為替予約を
除く。)を締結していることによりその財産についての為替相場が確定している場合には、
当該先物外国為替契約により確定している為替相場による。
(平11課評2−2外追加、平12課評2−4外改正)

(注)  外貨建てによる債務を邦貨換算する場合には、この項の「対顧客直物電信買相場」
を「対顧客直物電信売相場」と読み替えて適用することに留意する。




つまり、

@課税時期における

A納税義務者が取引していた

B金融機関が公表している(ここは教えてもらいます。)相場

で、換算します。

TTB:対顧客直物電信買相場、TTS:対顧客直物電信売相場、TTM:仲値については
TTBで、債務ならTTSでと書いてあります。


ここで、一般的に金融機関には証券会社は含まれないのですが、
財産評価基本通達4−3に記載の金融機関には証券会社も含まれます。

また、今回の案件の被相続人様は3社の証券会社さんと取引をしていましたが、
どこの証券会社さんが発行した相場を使うのかという問題が生じます。

相場は証券会社それぞれの相場なのでどれも違います。

この場合、納税者が選択した相場になりますので
一番安い相場を選択してOKです。

納税者有利の思想です。



ずいぶん長いテーマになりましたが、3社の証券会社と取引をしていたことで
3社3様の残高証明書から色々学ばせてもらうことが多かったです。

外国債券の評価の際、モーリーは最終的に発行価額ベースで計算する方法を選択
しましたが、少し時間が経ち今では発行価額と証券会社が付けた時価とで計算して
安くなる方を選択するというのが、実は正解だったような気がします。

しかし、散々調べた結果、どちらの方法で計算しても
実はほとんど評価額に差が生じない。というのが落ちでした。



ナショナル銀行南ア・ランド建債券軍団との戦い おわり


Thank you.
see you again.ぴかぴか(新しい)


posted by Love Earth モーリー at 18:09| Comment(0) | 財産評価

2013年01月18日

MSトルコ・リラ建ステップアップ債券軍団との戦い:諸々の補足編

Hello,everyone. I am Love Earth モーリー。

外国債券軍団との長い戦いも本日で終わりかと思っていましたが、
重大なことをひとつご紹介するのを忘れていましたので、明日もう一回続きます。


本日は細かい話でご紹介できなかった部分を箇条書きで簡単に書きつづりたいと思います。


@ステップアップ債とは

 利息が何年かごとに上がっていく債券。特に計算で難しい部分はありませんでした。


A2012年12月19日(水)にディスカウント債のご紹介をしておりますが、
 その時に課税時期における指数なるものが登場し、
 それは「外貨発行国の国情・財務状況等を勘案して決まる。」とご紹介しました。

 そして、指数を決めるのは証券会社でした。

 結局、指数は確認しませんでしたが、ディスカウント債の予想売却価格を計算するときだけ、
 残高証明書に記載のあった【時価】を使用しました。

 時価こそ、発行国の国情・財務状況等を反映していると判断したからです。

 あっているかどうかわかかりません。


B証券投資信託
 
 相続財産の中に証券投資信託も沢山、存在しましたが、計算は財産評価基本通達どおりに
 計算でき、割と楽でした。ヤフー等で相場も検索可能です。


C再投資されていない未収分配金 ― 未収分配金に係る源泉所得税

 証券投資信託の計算をする際、算式中に上記の式が登場しますが、
 証券会社で確認したところ、国内の債券は別として、外国債券では
 正式な金額が出せないとのことでした。

 なので、毎月入ってくる(亡くなった月の入金)分配金額を日割りで求めました。


D公社債投資信託と株式投資信託

 表記上、公社債投資信託となっていても評価方法は株式投資信託の
 評価方法を使用するものがほとんどでした。


E国際ワールド・リート・オープン

 上記のような商品がありましたが、純然たるREIT(リート):不動産投資信託
 ではなく上場不動産投資信託に分散投資を行う証券投資信託でした。


以上、思い出すままに徒然と書きましたが、肝心なことをご紹介するのを忘れていました。

外国債券は当然、南ア・ランドやブラジル・レアル、豪・ドル、トルコ・リラ等の
外貨表記です。

最後に日本円に換算する必要があるのですが、続きは明日。


Thank you.
see you again.ぴかぴか(新しい)


posted by Love Earth モーリー at 19:34| Comment(0) | 財産評価

2013年01月17日

MSトルコ・リラ建ステップアップ債券軍団との戦い:決断の時、来る編

Hello,everyone. I am Love Earth モーリー。

引き続きMSトルコ・リラ建ステップアップ債券軍団との戦いをご紹介いたしますが、
このテーマは本日も含め、残り2回で終了としたいと思います。

同業者以外の皆様には今一つのテーマかと思われますが、お付き合いいただければと思います。


本日は、今回の相続事案で外国債券を評価する際、モーリーが選択した
評価方法をいよいよご紹介いたします。

ドゥルルルルルルルルル…チャチャチャ!

それは(3)です。

すなわち、財産評価基本通達の197−2(利付公社債の評価)、
197−3(割引発行の公社債の評価)のいづれも(3)に記載の
発行価額を使用する方法で評価額を計算しました。

相続税法第22条、財産評価基本通達1(評価の原則)、
財産評価基本通達5−2(国外財産の評価)、
財産評価基本通達197(評価単価)などと順を追って考えると、

発行価額を使用するのが一番適していると判断しました。

証券会社さんが売り買いするために付けた時価はありましたが、それは
財産評価基本通達197−2、197−3の(1)や(2)に記載しているものとは
意味合いが違うものだとの決断です。


決断を下した後、真っ先に行ったことは、残高証明書に時価を記載してあった
証券会社さん2社の協力を経て、もう1社の証券会社さんの残高証明書のひな型と同じ様に
発行価額の記載のある残高証明書を発行してもらいました。
P1020237.jpg
このタイプの残高証明書です。

どちらの証券会社さんも非常に迅速に対応してくれました。感謝。


発行価額を使うと決まれば(3)の算式自体は難しくないので、
計算はスイスイ進みました。

なお、発行価額は当初、額面金額(1口100円)と同じだと思っていましたが、
わずかに額面金額より安く発行しているところがほとんどでした。



決断の時、来る編はここまで。

次回、諸々の補足編もお楽しみに。


Thank you.
see you again.ぴかぴか(新しい)


posted by Love Earth モーリー at 19:30| Comment(0) | 財産評価